お隣のヤクザに要注意Ⅱ

──ガッ!

その瞬間、口の中に血の味が広がった。

「っ……いって」

思いっきり俺の頬を殴った兄貴。

「っせぇな……兄貴の俺に逆らうっつーの?なぁ」

ガシッと頭を掴まれて、上に跨られた。

っくそ……力じゃ、勝てねぇ……っ。

「成績も優秀で他人から見れば性格もいい俺は人生勝ち組なんだよ。それに比べてお前は頭も良くないいい所なんてなにひとつねぇくせに、俺に勝てると思ってんの?」

「っ……俺は、あいつが好きなんだ!だから兄貴には死んでもやらねぇ……っ」

「ふーん……じゃあ、力づくでも手に入れよっかな」

俺を突き放してニヤッと顔を歪めた兄貴。

……は?

「力づくって……?」

「俺に抱かれる女はみーんな落ちるからさ?お前が本気なら俺も本気で奪いに行くわ」