お隣のヤクザに要注意Ⅱ

兄貴はそう言って家に入っていった。

心臓が嫌な音をたてる。

兄貴に見られた……どうしよう、絶対叶恋のこと狙い始める。

「集也?どうしたの?」

「っあ、なんでもない……行こ」

「……?うん」

それからの記憶はあんまりない。

頭の中は焦りと不安でいっぱいになって、叶恋には心配かけたと思う。

それでもちゃんと送り届けて、家に帰れば案の定兄貴の靴があって。

いつも、すぐ遊びに行くくせに。

自分の部屋に行けば、

「お、集也お帰りー」

俺の部屋でくつろぐ兄貴がいた。

……嫌な予感しかしない。

「……出かけねーの?」