お隣のヤクザに要注意Ⅱ

そばにいてくれるこの子を手離したくない。

思いのほか叶恋は俺と付き合ってくれて、理由は複雑だったけど叶恋らしいと思えた。

今はまだ俺たちの間に何も生まれなくていい。

ゆっくり、少しづつ叶恋を落としていくから。

時折叶恋の頭を撫でてあげれば心地良さそうにする叶恋。

そんな叶恋が可愛くてしょうがなくて、本当は今すぐにでも抱きしめたかった。

絶対、大切にする。

そんなある日、叶恋を家まで送ろうと一緒に家を出た時だった。

「お、集也じゃん!何〜?その子彼女?」

「っ……兄貴」

めずらしく帰ってきた兄貴と出くわした。

っまずい、叶恋が狙われる……!

「初めまして〜集也の兄貴です。名前は?」

「あ、花園叶恋です」

「叶恋ちゃん、またいつでも家に来てね〜」