お隣のヤクザに要注意Ⅱ

「んー?なぁに」

「……お前もいなくなる?」

ふいにそう呟いてしまった俺。

叶恋は漫画を読む手を止めて俺を見た。

純粋だけど、闇に呑まれてる瞳。

不気味だけどそれがすごく綺麗で。

叶恋に俺の気持ちを話しても伝わるはずがなくて。

だけど励ましてくれて。

「……俺彼氏になってあげよっか?」

気づけばそう口走ってて。

だけどもう、後戻りなんてできない。

本気でこの子を俺の彼女にしたい。

ぎゅっと手を握れば、冗談じゃないことがわかったのか叶恋はほんの少し動揺してて。

あぁ……ほんと、可愛い。

「俺、叶恋が好きなんだよね」

俺から誰かに告白するのは初めてだった。

兄貴に取られるかもとか、もう思わない。