「え、ちょ……どこ行くの?」

「風夏と芽衣のとこ!昨日のこと根掘り葉掘り聞きたいけど教室じゃ話づらいっしょ」

渡辺くん……。

「って……ごめん!彼氏いるのに手触ったりして」

「え……あぁいいよ、それに渡辺くんは風夏ちゃんのことが好きなのわかってるし」

え、と慌て始めた渡辺くん。

ほんとわかりやすいんだから。

「早くしないと取られちゃうよ〜風夏ちゃん可愛いんだから」

「え、取らっ……えぇ!」

さっきまで悩んでた自分がバカみたい。

渡辺くんについて行ってたどり着いた場所は旧校舎の階段の踊り場だった。

「あ!叶恋ちゃんやっと来た!」

「おはよ〜叶恋ちゃん」

「ふたりともおはよ。……あのね、昨日のことなんだけど……その、何から話せばいいかわからないんだけど」