俺はそのまま足を進めて組長のいる部屋に向かった。

「組長ー今帰りやした」

「花園は?」

「ちゃんとユイに任せましたよ」

「そうか」

最近の組長はずっとこうだ。

神楽組の組長がずっと叶恋を探してると知ってから、毎度俺に叶恋の生存確認をしてくる。

「で、今日も何も収穫無しっぽいのか?」

「あぁ。……虎の父親も見つかってない」

くそ……一体どこにいるんだよ。

ずっと叶恋が狙われる理由を探してるけど、全然出てこない。

「……他人の、しかも殺した人間の子供をずっと探す理由って何だ?」

「俺もずっと考えてるけど……何も頭が働かねぇ」

わかんねぇけど……今はとにかくあいつを守らなきゃ。