❆叶恋side❆

あれは私が高校生になりたての頃。

いつも通り街を歩いていれば、ナンパされることが多くて。

「ねーねー。ひとり?可愛いねーいくつ?」

この時の私はまだナンパの対処法とか知らなくて。

「えっと……ごめんなさい、今急いでて」

「えーいいじゃんちょっとくらいさぁ」

また今回もしつこいな……どうしよう。

ひとりで街に来たから、待ち合わせとか嘘ついても誰も来ないし……。

「あーすいませーんお兄さん。この子俺の彼女なんすよね」

「え」

ナンパから私を離してそう言った男。

わ……芸能人みたい。

彼ほど顔が整った人は見た事がなくて、思わずガン見してしまった。

「はぁ?んだよ、男いんなら言えよな」