お隣のヤクザに要注意Ⅱ

「っ……」

「……何か思い出せそうか?」

何か……何か……。

思い出そうとすればするほど頭が痛くなる。

……あ。

「スーツ着た男の人……5人、いた」

「5人?」

「来た途端、お母さん私を物陰に隠れさせて……音のない銃使ってた」

だから、気づいた時にはふたりはもう血まみれで。

私の異変に気づいたシュウさんはそっと頭に手を置いた。

「もう充分だ。ありがとうな叶恋」

「……うん」

私……全然あの日のことを受け入れられてないな。

向き合えてもないのかも。

ツー……っと涙が頬を伝った。