お隣のヤクザに要注意Ⅱ

羅虎に会いたい……。

もらった指輪にそっと触れた。

「あの虎が女に指輪なんてたいしたもんだよ。それほど覚悟を決めて今と向き合ってんだろーな」

羅虎に会う前の羅虎のことは知らない。

でも、シュウさんが言うならそうなんだろうな。

しばらく車を走らせて、田舎へとやってきた。

畑や工場ばっかだな。

「シュウさん、この辺なの?」

「あぁ。もうちょい」

なんか心臓がざわざわする。

あの日以来、当たり前だけど来るのは今日が初めて。

「着いた。ここだな」

「ここって……廃工場?」

周りには何も無くて、ただの今は使われてない工場があった。

でも、なんか見覚えはある気がする。

車を降りてシュウさんと目の前まで行った。