お隣のヤクザに要注意Ⅱ

「……あ、そうだ颯。親父って神楽の組長の補佐なんじゃなかったのか?」

シュウさんからはそう聞いていた。

「あぁ……いつの間にか変わってた。父さんのことだから外には出してないだろうけど……殺しもしてないと思う」

てことは……この敷地内のどこかにいる?

ほんの少しの希望が見えて、心が温かくなった。

「花園叶恋はもしかしたら、何か特別な女の子なんだろうな。12年前の事件当時も殺そうと思えば殺せたのに殺されなかった。それなのに父さんはずっと探してる」

何か……何かまだある。

「まずは虎の父さんを探そう」

「俺は父さんと進藤から探りつつ資料も見てみる」

「じゃあ俺は神楽の仲間たちと仲良くなって何か知ってないか探る。虎はこの敷地内の探索しつつ手がかりなものありそうか調べて」

「わかった」

こうして俺たちの秘密の計画は立てられた。

……待ってろよ叶恋。

必ず、1日でも早く帰るから。