お隣のヤクザに要注意Ⅱ

頭を下げた煌星。

「頼む颯……俺、親父を探しにここにきた。12年前のことも知るために潜入してるんだ」

俺も頭を下げた。

いくら久しぶりの再会だとしても、立場が不利なのは充分理解してる。

でも、俺は颯を信じてるから。

「ふたりとも頭上げてよ……俺の頼みも、聞いてほしい」

煌星と顔を上げて颯を見ると、悲しそうな顔をしてて。

「12年前から父さんは変わってしまった。仲間には少しでも怪しい点があったら容赦なく切り捨て牢屋に入れて。息子の俺にはどの組よりも強くあるために教育し続けて……もう、耐えられないんだ」

さっき見た神楽の組長は、確かに今いる仲間をすごく信頼していた。

「昔の父さんはもっと心に余裕があって、今みたく常に焦ってる感じじゃなかったんだ。どうしても昔の父さんに戻ってほしくて期待に答えてきたけど俺ももう限界なんだ」

「颯……」

「助けてくれ……羅虎、煌星。俺は父さんとはもう義務的な話しかしてない。このことは俺たち3人だけの秘密にする。だから……」