お隣のヤクザに要注意Ⅱ

「え、颯知ってるの?」

煌星が思わず聞けば、当たり前とでも言うように頷いた。

え、まじ?

「なんなら父さん、ずっと花園叶恋の行方を探してるんだ」

っ……なんで、なんのために。

「なんで叶恋ちゃんを?」

「さぁ……俺もなんでか聞いたことあるけど、頑なに教えてくれないんだ。でも……その子がどうした?」

「っ俺の……大切な子なんだ」

「……っえ」

ぎゅっと拳を握った。

「俺の父親が家族を殺した事件と12年前の事件、繋がってるんだ……」

「羅虎……」

「颯、叶恋ちゃんは虎の世界を救ってくれたたったひとりの彼女なんだ。だから頼む、このこと神楽組には秘密にしてほしい」