お隣のヤクザに要注意Ⅱ

「えー……理由ない」

「うそ!」

「女の顔覚えてないし……そん時いたからくらい?彼女っていう彼女はいたことない。人を愛すとか好きとか分かんなかったし」

そう、なんだ。

たしかに、最初の頃バイト終わりの私を迎えに来てくれた羅虎、女の人のことスルーしてたもんね。

「けど叶恋に出会ってからまじで変わったと思う。……ありがとう、俺に出会ってくれて」

「ほんと、あの時コンビニに行った私に感謝してよね」

なんてツンとしてみれば、嬉しそうに頬を緩めた羅虎。

「隣にこんな可愛い子いるならそのうち気づくし」

「……気づいてなかったくせに?」

「うるさい」

出会った頃は、羅虎がこんなにも優しい人なんて知らなかったよ。

私のことよく知らない時から、真剣に向き合ってくれて。

大切にしてくれて。

本当は人間らしくて、組みんなのことが大好きで。

律儀でご飯作るのが上手で過保護で……。

本当に、愛おしい人。