お隣のヤクザに要注意Ⅱ

あの真冬の日……私の頭を撫でるお母さんの手は温かくて、震えていた。

お父さんは何度も私に謝っていた。

ただ鮮明に覚えてるのはふたりの死んだ姿と広がる血。

ふたりの……悲しそうな顔。

思い出したんだ。

お母さんもお父さんも、泣いていた。

私を隠した後泣いてたんだ。

謝ってたのは……この事だったのかな。

泣いていたのは、死にたくなかったからなのかな。

叔母さんにも言えず、ふたりだけで秘密を守っていたんだ。