お隣のヤクザに要注意Ⅱ

お母さんは全員に飲み物を出すと、席を外した。

緊迫した雰囲気の中、最初に口を開いたのは組長だった。

「生まれた時から組にいるが……敵対同士の組が争いを選ばずに話し合いを取るなんて初めてだ」

「それはこちらも同意見だ。叶恋がいなかったら全員血まみれだな」

組長同士の会話、怖すぎる……。

ふたりとも目が笑ってないし。

組会議って、何を話すんだろ……?

「少し前にうちの傘下である蝶羽組を襲撃したな。あれはなぜだ?」

蝶羽組……?

「蝶羽組って……なんかどっかで聞いたことある気が……」

「叶恋忘れたの?お前攫われたじゃん」

「頭から血出てたね〜懐かしい」

「初めて虎に心開いた日だな」

「……以上だ」

そうだ思い出した。