お隣のヤクザに要注意Ⅱ

「なぜだ……ボスは叶恋を取り戻したいだろう。白銀に所属してるなら尚更な」

「そうだろうな。でも、あの子のことだ……きっと優しいから憎しみはすぐ消えるだろう。それに、あの子は俺たち白銀のことも好きだけど、実の家族を知ってしまえばちゃんと好きになるだろう」

組長……叶恋のこと、ちゃんとわかってるんだな。

確かに叶恋は、どうしたらいいのかわからずいまも過ごしてる。

バカみてぇに優しいから……。

「俺はあの子の悲しい顔は見たくないんだ。白銀と神楽が抗争となれば誰かしら怪我はするし傷つくだろう？あの子はきっと悲しむ」

「……あんた、親みてぇだな。組長のくせして、組のメリットよりひとりの女の子を尊重するなんて」

「構わん。あの子はウチを変えてくれたからな」

チラッと俺を見た組長。

たしかに……叶恋が現れて、俺は変わった。

廃人みたいだった俺に光をくれた。