いつもみたく、拒絶してた。

してたのに。

羅虎と煌星はすんなりと俺の心に入ってきた。

“「颯」”

誰かに仲良く名前を呼ばれたのは初めてで、不思議とふたりとの時間は居心地が良かった。

その日の夜、いつも通り煌星の家で飯を食べて順番に風呂に入っていた時。

俺も羅虎も入ったから、煌星が入りに行った。

煌星の部屋でごろごろしていると、羅虎の顔色がいつもと違った。

いつになく真剣で。

「なぁ颯」

「んー」

「俺さぁ、両親いないんだよね」

「……え」

突然言われた羅虎からの言葉に戸惑った。

スマホを置いて羅虎を見れば、切なく窓の外を見てて。

「母親、もう死んじゃってて。父親は家出てったっきり帰ってこなくてさぁ」