みんな……。

「お邪魔しましたっ」

私はそう言って、羅虎と家を出た。

車に乗って、シートベルトをした私。

「はぁーーーーー…………緊張したぁ…」

「えっ、羅虎緊張とかするの?」

「当たり前だろ!彼女の父親とか……しかも敵のボスだし威圧感半端ねぇし……でも、いい人だな」

私の顔をじっと見つめてから、車を発車させた羅虎。

……?

「私の顔何かついてた?」

「いやー……行って良かったなって思って。生き生きしてるから」

え、生き生きしてるの私。

……そうかも。

「……ねぇ羅虎」

「ん?」

「家族って……こんなに温かいんだね」

ずっと……あの日から孤独だったから。

家族というものとは程遠くて。

「……そうだな」

あんまり知りたくなかった。

知ったら……欲張りになる気がした。