肩を上下させて泣き崩れたお母さん。

産まれた時以来……なんだもんね。

「私……神楽叶恋なの?」

「あぁそうだ。でもずっと花園叶恋として生きてきたんだ……違和感を感じてしまうよな」

お父さんまでも涙を流してる。

本当に……これまでずっと私のことを……。

「さっ、中に入って颯が来るまでくつろいでいて?」

「あっ……」

お父さんとお母さんに手を引かれて中に進む。

それにしても広いお家……。

リビングに行けば大きいテレビに、座り心地の良さそうなソファに観葉植物、床は全部大理石だった。

テーブルも大理石……。

ソファに座らされて、お母さんが紅茶を出してくれた。