お隣のヤクザに要注意Ⅱ

こくんっと頷いた。

「叶恋ちゃん、事件からずっと父さんは血眼になってまで君のことを探してるんだ。でも、俺から叶恋ちゃんのことを両親に話すつもりはない」

「颯さん……」

「だから、ゆっくり決めればいいと思うよ。大事なのは叶恋ちゃんがどうしたいかだから」

私……。

「時間かかるかもだけど……本当の家族を知りたい」

それが今の私の願い。

私がそう言えば、颯さんは少し驚きながらも優しく笑ってくれた。

「叶恋ちゃんは強いね」

「ううん……羅虎や私を支えてくれるみんなのおかげ」

「っ叶恋……俺泣きそう」

うっ、うっと泣き真似をする羅虎。

ったくもう……。