お隣のヤクザに要注意Ⅱ

「叶恋ちゃんの好きなように呼んでいいよ。いくら羅虎の親友とはいえ、君をこれまで苦しめさせた神楽の人間なんだ……まだまだ警戒するだろうし」

颯さん……。

「悪い人じゃないのはわかってます」

「え……」

「颯さん、私の嫌がることしてないし、なんなら距離だって保とうとしてくれてるし……」

さっきだって、私が引き止めなかったらそのまま解散してたよね。

類は友を呼ぶって言うし、羅虎のことすごく信頼してるし葉山さんだっていい人。

「それに、不思議と安心感があるってゆーか……実の兄だからかな、身体が少しも警戒しないんです」

「どことなく……母さんに似てるね叶恋ちゃん」

私のお母さん……。

……どんな人なんだろ。

「わ、私……」