俺の幸せ全部、叶恋にあげたい。

水族館を回りつくして、全種類見た俺たち。

「はぁ〜、綺麗な魚たくさんだったね!」

「そーだな。楽しかった」

「ね!」

まだ2時か……。

叶恋と水族館を出て、車を停めてある場所まで歩く。

あ。

「叶恋、遅くなったけどどっか飯行こ?」

「うんっ!私、喫茶店行きたい!」

「よし、じゃあ近くの喫茶店に……」

「羅虎?」

え……?

駐車場に着くと、名前を呼ばれた。

振り向けば颯がいた。

「颯……お前、なんでここに、」

って、待てよ……今、叶恋もいる。

隣にいる叶恋を見れば、目を見開いて固まってて。

「もしかして……君が叶恋ちゃん?」

「っ……私の、お兄ちゃん……」


握る手がほんの少しだけ震えた。