お隣のヤクザに要注意Ⅱ

「ふーっ、走ったな〜」

「はぁっ……はぁっ、煌星お前、足早すぎ」

「はぁ……っ、疲れた」

ドサッとベンチに腰掛けたふたり。

「ふたり、いつもこんなことしてるわけ?」

「たまぁにしかしねぇよ?煌星の気分」

「たまには息抜きも大事じゃん。俺たちは常に見られて堅苦しいからさ」

見上げれば雲ひとつない青空で。

まだ春の風のおかげで汗は引いた。

「……たしかにそうかもな」

「あ!バッタいる!見ろ煌星颯!バッタ!!」

ほら!と手で捕まえて見せてきた虎。

うげ……。

「こ、こっち来んな虎!離れろ!」

「んなの捕まえてくんな!!」

「なんだよふたり、もしかして怖ぇの〜?」

「に、逃げろ颯!」