急に後ろから引っ張られた。

「あ!あれ面白そう……叶恋ちゃん?」

物陰に隠された私。

だ、誰?抱きしめられてる。

遠くで私の名前を呼ぶみんなの声が聞こえる。

「こっち来い」

「っ……集也?」

顔を見上げれば、私服の集也がいた。

そのまま階段を降りて、誰もいない図書館に来た私達。

「ちょっと、何の用?」

「こうでもしないと話せないと思ったから。……でもごめん、腕傷つけたか?」

私の腕を見て確認した集也。

っ……やだ、なんなの。

どうしてもあの頃の……優しかった集也を思い出す。

……この際だから聞くべきかな。