目を見開く俺と、冷静な瞳が目が合った。

「その声、その匂い……羅虎だろ」

「っ……」

くそ……なにも言い返せない。

何か、何か言い訳しねぇと……っ。

「焦んなくていいよ。別に父さんにバラしたりしないから」

「え……バラさねぇの?」

「俺の目的は違う」

颯の……目的?

俺と煌星の頭の中にはハテナが浮かぶばかりだった。

まさか颯が神楽組の次期組長だなんて……。

颯は、周りが虎と呼ぶなか唯一羅虎と名前で呼んでくれる奴だった。

軽く5年ぶりの再会か……。

5年ぶりの再会がこんな形なんて、少し複雑に思ってしまった。