お隣のヤクザに要注意Ⅱ

ツー……っと涙が頬を伝った。

話したいこと、たくさんあんのに。

色んなものが込み上げてきて、苦しい。

「羅虎……ごめんな。あの時、お前を置いて家を出てったこと……本当にすまなかった」

ぶんぶんっと首を横に振った。

「そばにいたかったんだ……でも同時に、いてもたってもいられなくて……逃げてしまった。俺は父親失格だ」

「っうるせぇ……!謝んなよ、父親失格なんて言うなよ……っ!んな……そんな悲しい顔すんなよ」

ゆっくり、ゆっくり歩いて布団に座ってる父さんの前まで行った。

「どんな父さんでも、俺の父親は父さんだけだ!」

俺がそう言うと父さんは目を見開いて、静かに涙を流した。

「羅虎……ありがとう、ありがとうなぁ……っ」

「父さん、俺……颯のおかげでここまで来れたんだ」