お隣のヤクザに要注意Ⅱ

「こんな酔ったりしねぇよ……!こいつ相当弱ってんだなぁ」

「悪いかよ!!LINEだって電話だってできねぇし毎日ご飯食べてるか心配だし風邪とか引いてないか心配だし叶恋ちゃんの身に何か起きてないか心配だし他の猿どもが叶恋ちゃんに話しかけたりしてないか心配だし」

重症だな……。

花園叶恋って、すげぇな……。

「早く帰りてぇし……早く、あの子におかえりって言わせたい。名前……呼んでほしいし」

羅虎は顔を赤くしながら静かに涙を流した。

「親父に……早く会いてぇよ」

「虎……って、寝たし」

まるで子供のように眠りについた羅虎。

……意外だった。

羅虎はいつも余裕そうで、いつだって強い所しか見なかったから。

ここまで弱ってる羅虎を見るのは初めてだ。

「あの頃の俺らは弱った心を見て見ぬふりして放置するしかなかったけど……大人になればこうして酒がなんとかしてくれるって思っちゃう俺」