お隣のヤクザに要注意Ⅱ

『羅虎』

あの優しい声で俺の名前を呼んで欲しい。

冷たい手で俺の髪セットしてほしい。

四六時中そばにいてほしい。

すやすや眠る姿を一番近くで眺めたい。

あーもう……早く会いてぇ。

けどもし、もし本当に親父に会えるとしたら。

俺は……ちゃんと話せるのかな。

「俺……結構大人になったけど、息子だって気づいてくれんのかな」

「虎……」

「それは会ってみないと分からないことじゃない?何が起こるかなんて誰にも分からない。そんなの考えても無駄だよ」

颯……。

「心配事は大体起こらないから。安心しな」

「まさかお前のその冷静さに助けられる日が来るなんてなぁ……」

「失礼だな……」