お隣のヤクザに要注意Ⅱ

その後も1フロアずつ挨拶に行って親父を探したけど、見渡すかぎり親父は見つからなかった。

収穫なし……か。

すべての挨拶を終えて最上階に戻ってきた俺ら。

「お疲れ様。疲れたか?」

「いいえ〜みんな歓迎してくれて嬉しいっすよ」

「だな」

「それはよかった」

組長の部屋に入ると、さっきはいなかった男が背を向けて組長と話してた。

「ボス、ふたりの挨拶を終えました」

「おおお疲れ。タイガ、ロウ、紹介しよう。俺の息子だ」

そう組長が言って、振り向き俺らを見たそいつ。

っ……おい、嘘、……だろ?

そいつと目が合った瞬間、そいつも目を見開いた。

「っ……な、んで」

「どうした?颯」

……“神楽颯”、中学の頃の俺と煌星の親友。