仕事を終えて夜の7時、颯の家に帰ってきた。

「ただいまー」

「あ、羅虎お帰り」

リビングに行けば颯がコーヒーを煎れてる最中だった。

煌星はまだ帰ってきてないのか。

「羅虎、お前に話があるんだけど」

「話?」

なんだろうと思いながらソファに腰掛けた。

やけに真剣な顔してるな……いつも無気力なのに。

「父さんは毎月1回だけ地下の牢屋を点検しに行くんだけど、今月から俺に任されたんだ」

「っ……それって」

「あぁ、もしかしたら羅虎の父さんがそこにいるかもしれない。だから羅虎、一緒に来ないか?」

……え。

ゴクッと息を呑んだ。

内心、めちゃくちゃ行きたい。

行きたいけど……。