辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~

 今日はラースの番。ラースに抱き上げられたエルは、ご満悦だった。

 辺境伯家の生活は、とてもとても快適である。

 エルのために、使用人や、城下町の人達がたくさんの洋服をくれた。お下がりだからと言って馬鹿にしてはいけない。何度も着用され、柔らかくなった布は、エルの繊細な肌に優しく触れるのだ。

 いくつも継ぎを当てられたお古の服も悪くない。どろんこ遊びをするのに向いている。

 もらった洋服は、辺境伯家の工房で、エルが一人でも脱ぎ着できるように、前開きに改造された。メイドが支度をしてくれると言ったのを、エルが断ったからである。

「おはよ、今日の服も可愛いね!」
「えへー、ハロにぃにもおはようございます」

 クローゼットには、たくさんの服。可愛がってくれる三人の兄のような人達に、騎士団員達。使用人もエルに親切だった。

 ――なにより。