「兄上が体力お化けなんですよ……」
膝に手を置き、肩で息をつきながら、メルリノは恨めし気な目でラースを見上げた。
メルリノが得意とするのは、敵を寄せ付けないようにする結界魔術と、怪我を治したり、毒物の影響を消したりする回復魔術。特に回復魔術の使い手は珍しく、貴重な存在だ。
「体力お化けって言い方はひどいな。でも、回復魔術を使うにしたって、他のやつらに遅れは取れないだろ?」
「……わかってますけど」
メルリノが浮かない顔になったのを見て、ラースは息をついた。
魔術師であるメルリノは、どうしたって体力作りにかける時間が少なくなる。それなりに鍛えてはいるのだが、辺境伯家を守る騎士達には及ばないのだ。
(こいつ、体力ないのを気にしてるからなぁ……)
膝に手を置き、肩で息をつきながら、メルリノは恨めし気な目でラースを見上げた。
メルリノが得意とするのは、敵を寄せ付けないようにする結界魔術と、怪我を治したり、毒物の影響を消したりする回復魔術。特に回復魔術の使い手は珍しく、貴重な存在だ。
「体力お化けって言い方はひどいな。でも、回復魔術を使うにしたって、他のやつらに遅れは取れないだろ?」
「……わかってますけど」
メルリノが浮かない顔になったのを見て、ラースは息をついた。
魔術師であるメルリノは、どうしたって体力作りにかける時間が少なくなる。それなりに鍛えてはいるのだが、辺境伯家を守る騎士達には及ばないのだ。
(こいつ、体力ないのを気にしてるからなぁ……)


