辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~

 冷静に考えれば、三歳から五歳になるまでの間、ずっと部屋に放置されていた。食事も運ばれてはくるものの、エルと一緒に食事をしてくれる人はいなかった。

 冷めたスープ、硬くなったパン。肉や魚がつけばいい方で、本当に最低限命を繋ぐだけの食事しか与えられてこなかった。

 それから荷馬車に積み込まれ、魔物がたくさんいる森に放り出された。この城に運び込まれてからは、生きるか死ぬかの線をさまよった。

 小さな身体にたくさんの負担がかけられていたわけで、味覚が失われてもおかしくないのかもしれない。

「ない、ない……ないよ……」

 味覚があるからこそ、食欲も出てくるというもの。絶望という言葉に襲われたような気がした。

 だが、ぼろぼろと泣いている空気を破ったのは、ラースだった。

「うまい。これ、めっちゃくちゃうまいぞ、エル!」
「おいし?」