辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~

 養育費については、大人になってから、働いて返せばいい。無謀だろうか。でも、その施設でも不気味な事件が起こったら?

 なんてつらつらと考えていたら、いつになく難しい顔をした辺境伯がやってきた。

「あー、エル。ちょっとだけ話ができるか?」
「いいよ」

 辺境伯が相手なのだから敬語を使うべきか一瞬考えたけれど、エルは首を縦に動かすにとどめておいた。この回らない舌で、敬語を使いながらの会話は面倒だし、たぶん、五歳児は敬語を完璧に使えない。

「お前、どこで暮らしたい?」
「わかんにゃい」
「だよなあ、わからんよなあ」

 顎に手を当てている辺境伯は、エルを脅えさせないように少し離れたところから動かない。もう少し近くに来てくれてもいいのに。

(……怖くないよね)