辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~

「もう少し体調が整ったら、聞いてみるさ。もしかしたら、城下町で暮らしたいかもしれないしな」
「俺それ反対!」
「ハロン。あの子の気持ちも考えてやれ。な?」

 頬を膨らませたハロンの頭を、父はぐりぐりと撫で回している。ハロンでさえもちょっと痛そうだから、きっとエルはもっと痛かっただろう。

 

 * * *

 

 少しずつ、ベッドの上に起きていられる日も増えてきた。最初のうちは夕方になると発熱していたのだが、ここ数日は大丈夫だ。

 床に降りても、関節が痛むということもない。

「よいしょ」

 ベッドから降りるのも、小柄なエルは一苦労である。

(……これから、どうなるのかな)

 ここ何日か、出入りしている三兄弟だの、使用人達だのの話を聞いて情報を繋ぎ合わせてみたのだけれど、どうやらエルはどこかからさらわれてきた子という認識らしい。