辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~

「ハロン様、家族がいるかもしれませんよ」

 と、ジャンが横から冷静な声をかけてくる。騎士としても一流で、父が魔物討伐に赴く際には、彼の援護が欠かせない。本名はジャンルカ・バルディーなのだが、皆縮めてジャンと呼んでいる。

「でもまあ、ジャンよ。あの子、自分がどこに住んでいるのかもわからないんだろ? 人買いに誘拐されたのかしれんな。メルリノとお前で調べたんだろ?」
「ええ。魔物に襲われた馬車と、食い散らかされた遺体を見ました。地元の者も入らないような場所で、いったい何をしていたんだか」

 ジャンが鼻を鳴らした。

 あの時、メルリノは、エルの両親がいるのではないかと騎士団を引き連れて探索に赴いた。父が、ジャンルカを共につけたのは、彼を信頼している証だ。