辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~

「えりゅ、ごさい」

 指を五本広げて出せば、三人は顔を見合わせた。

「ちっちゃ! 本当に五歳か?」

 ラースが疑わしそうに言い、エルは頬を膨らませた。

「うそいわないもん」
「エル、どうしてあそこにいたのかわかりますか?」

 と、今度はメルリノ。エルは首を横に振った。

 実家はなんとか伯爵と言ったと思う。夢の中ではしっかりと覚えていたはずなのに、忘れてしまった。エルレインという名前だけはかろうじて覚えていたけれど。

「……誘拐されてきたのかな。家はどこかわかるか?」
「んーん」

 ラースの問いにも首を横に振る。家がどこにあるのかなんてわからない。

 エルが覚えているのは、昼でも薄暗い部屋だけ。与えられていたのは、ぼろぼろの毛布。冬は部屋の空気が冷え込んで、毛布をぐるぐる巻きつけても寒かった。

「……おー、目が覚めたか」