辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~

「娘の死を偽装するなど、貴族として、いや親としてありえないことだ! のちほど、ゆっくり話を聞かせてもらう!」

 さすがの伯爵も、そこで口を閉じた。「連れていけ」という命令に、兵士達が伯爵を引きずっていく。

「あの者の処遇については、私に任せておくがいい」
「ありがとうございます、陛下……よろしくお願いします」

 エルは丁寧に頭を下げる。

 辺境伯家の娘となることが国王によって正式に認められたのだ。今までこの様子を固唾を飲んで見守っていた周囲の貴族達からも拍手が上がる。

 伯爵のことも、伯爵家のことももう忘れてしまおう。あの家には、最初からエルの居場所はなかったのだから。

 

 ◆ ◆ ◆

 

 王都に来た用事はすべて片付いた。明日には、辺境伯領に戻ることになる。

 今日は、王都の屋敷で過ごす最期の日だ。

「早く帰りたいな。ねえ、ベティ、ジェナ」