辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~

 なぜ、エルが呪われた子だと言うのか、国王には理解できなかったようだ。

「そんなことはしていない!」

 伯爵はわめくし、伯爵夫人は青ざめている。一緒に連れてこられた女の子は、状況がまったくわかっていないようで泣き始めた。

 すかさず王宮の使用人が、女の子を連れ出している。さすが、王宮の使用人。

「それについては、私から説明してもよろしいですか?」

 わめく伯爵は完璧に無視し、国王に向かって、ラースが口を開いた。いつもとは違い、ラースの口調は丁寧なものだった。一人称も「俺」ではなく「私」を使っている。

 国王がうなずくのを待って、ラースは抱えていた包みを開いた。中から出てきたのは、フライパンと包丁である。

「これは?」
「精霊具です。陛下」

 わめいてた伯爵も、出てきたものがあまりにも想定外だったらしく、黙ってしまった。たしかに、王宮に持って入るには不適切な代物だ。