辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~

 ひそひそと囁き合う声は、今日の主役であるメルリノだけではなく、辺境伯家に迎え入れられるエルのことも話題にのせているのだろう。

 全てが美しく、きらびやかで、エルの目を引き寄せる。あまりじろじろ見てはいけないだろうと、慌てて視線を落としたほど。

「カストリージョ辺境伯家、参上いたしました」

 ロドリゴがそう述べている間に、全員そろって頭(こうべ)を垂れる。正式な作法は習っていないけれど、彼らにならってエルも頭を下げた。

「おお、よく来てくれた。そなたがエル嬢だな」

 国王が一家を歓迎してくれ、王妃がエルに目を向ける。

「いいのよ、お返事をなさい」

 偉い人に声をかけられて、返事をどうしようかと迷っていたら、すかさずロザリアが救いの手を差し伸べた。

「はい、エリュです」

 久しぶりに噛んだ。最近は、上手にしゃべるようになってきたのに。