辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~

「まあ、あなたがエル嬢ね」

 エルとロザリアが通されたのは、王妃が親しい友人を招くために使うという部屋だった。猫足の家具が優美な雰囲気だ。

(お姫様のお部屋って、こんな感じ……?)

 辺境伯家のエルの部屋も、前世の基準からすると相当広く、家具も贅沢なもので「お姫様の部屋」という雰囲気だったけれど、ここはさらにその上を行く。

 壁紙は赤く、随所に金があしらわれている。なんて豪華なんだろう。これはまさしくお姫様の部屋だ、いや、王妃様の部屋だった。

「エリュです! よろちくお願いしましゅ!」

 緊張して声が上ずった上に噛んだ。カーッと頬が熱くなるけれど、気にしていないふりをする。

「噂通り、可愛らしいお嬢さんね」

 王妃は、エルを見て目を細めた。

「そうでしょう? 私は王都にいたから、この子がどんな状態で発見されたのか、自分の目では見ていないのだけれど」