辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~

 ハロンが十歳を過ぎた頃から王都と領地を行き来しているそうだから、ハロンに関しては特にそうだろう。 ハロンの頭に手を置いて彼女は微笑みかけ、微笑まれたハロンの方は恥ずかしそうに笑っている。

(……羨ましいな)

 エルだって、もうすぐロドリゴとロザリアの娘になるというのに。つい、羨ましがってしまう。前世から引きずっている愛情不足は、まだまだエルの中に残っているみたいだ。

 兄達に手を振り、エルはロザリアの後ろについて歩き始めた。手を繋いでもいいが、ここではこうするのが正式のマナー。

(……広いな)

 王宮の廊下は、壮麗さと威厳を兼ね備えた贅を尽くしたつくりだった。
真っ白な大理石製の床。連なる巨大なアーチ型の窓。窓から差し込む陽光が廊下全体を柔らかく照らし出していた。

 壁には、過去の王族の肖像画がかけられている。いずれも、この国の歴史を物語るものだ。