辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~

「あら、これはうちの娘のドレスね」

 と、エルの着ているドレスに目を留めたのは、今日の主催者である伯爵夫人だった。

 ロザリアがこっそり教えてくれたところによると、お下がりをいただいた家にいただいたドレスを着ていくということは、「あなたと親しくなりたいです」という意思表示なのだとか。

 貴族の家で子供の間でお下がりを譲るのは、子供達の仲がいいか、これから仲良くしたい家に限られている。こうして、子供の頃から付き合いを深めていくらしい。

「似合うと思ったのよ。イレネ嬢、どうかしら?」

 ロザリアの目が向けられた先にいるのは、エルより数歳上と思われる女の子だった。黒い髪にぱっちりとした黒い目。可愛らしい顔立ちをしている。

「とてもお似合いです。エル嬢、私と遊んでくださる?」

 手を差し出し、首をかしげている様も可愛らしい。エルは、首を捻って背後にいるロザリアを見上げた。