辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~

 蜂蜜はともかく、バターやミルクは日持ちしない。料理に使うだけの量をぽんと購入できるのは、資産家だけだという。だが、茶会で提供する茶菓子を作るには最高の材料となるそうで、それでも欲しいという人があとを絶たないのだとか。

(三十倍……!)

 それにしたって、どこまで高騰するというのだ。お金持ちの食にかける執念が恐ろしい。

「辺境伯領でお菓子に加工してから持ってくるってなぜか考えていなかったのよねぇ……」

 と、ロザリアは道の両脇に並ぶ店を見ながら口にした。

 辺境伯領に来たがる菓子職人もそういないだろうし、そもそも自分達で甘いものを作ろうなんて発想にならなかったのだろう。料理だけで手いっぱいだったから。

「エル。これから、あなたには大きな注目が集まることになるかもしれない。でも、私達はあなたを守るから安心して」
「はい、お母様」