辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~

 治療を終え、ロザリアとそんな会話を交わしていたら、メルリノがやってきてひょいとエルを抱え上げた。

「メルにぃに、エルは自分で歩けます」
「知ってるけど、エルが不足しているんですよ……」

 きゅうっとメルリノに抱きしめられて、頬ずりされる。

 正式に養女になると決まってから、三兄弟のスキンシップがますます激しくなったような。愛されていると考えれば、悪いことでもないのだろうけれど。

「あ、メルリノ兄さんずるい! 俺も俺も!」

 メルリノの腕の中から、ハロンの腕へ移動させられる、かと思えばラースの腕の中。

 兄って、妹に対してこんなにべたべたするものだっけ? という疑問は浮かんだけれど、この三人の前では何をやっても無意味だとエルの考えはあっさり霧散した。

 

 当然、あれだけ焼いたパウンドケーキは道中で食べつくし、王都に入ったのは、馬車に乗り換えてから三日目のことだった。