辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~

「寝ておけ。絶対に落とさないから大丈夫だ」
「ロドリゴ様、信じてるから平気よ……?」

 ロドリゴのお腹に背中を預けるようにして、エルはつぶやいた。

 思えば、この領地に来た時には、縛られ、荷馬車の荷台に転がされていた。周囲の景色を眺める余裕もなかったし、そもそも意識を失ったり覚醒したりを繰り返していた。

 危ないから、蜂蜜を取りに行く時以外、城下町から出ないようにと言い含められているし、こうやって町の外の景色を見られるのは新鮮な気分だ。

「そうだなー、そろそろお父様って呼んでみてくれないか?」

 ロドリゴの方に完全に体重を預けて油断していたら、思いがけない方向から不意打ちされた。お父様……お父様って、いいんだろうか。

「ロザリア様、いい?」
「やーよ、私のこともお母様って呼んでくれないと! そうよ、正式に養女になるんだもの。いいわよね、もうお母様でいいわ!」