辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~

 夢で見ていたのは、どうやら前世と呼ばれるものと今までの人生の総集編だったらしい。頭の中が、妙にクリアだ。前世では、日本という世界で生きていた。五歳のエルレインと名前も知らない成人女性の意識が、エルレインの中で奇妙に混ざり合う。

 前世では、家族の愛情に恵まれなかった。どうやら今回の人生では愛されないどころか憎まれていたようだ。

 二度目の人生、いきなりこんなハードモードを突きつけられるとは思ってもいなかった。

 エルレイン・エスパテーラ。エスパテーラ伯爵家の令嬢――いや、令嬢だった、だ。

 三歳の頃からエルレインの周囲では不可思議な現象が発生していたらしい。前世の言葉で言うならポルターガイスト。

 それが呪われた子という評価に繋がり、遠くに捨てられることになったというところか。

(……あの人達、無事に森から出られたのかな)

 今にして思う。