辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~

 一人の男が馬車を追って走り始め、他の二人もエルレインには見向きもせずに走りだす。

「あの娘はどうするんだ?」
「ここに残していけば、魔物に食われて死ぬだろ。ほら、馬車に乗れ! ――こらこらこら、そう慌てるな!」

 一刻も早くこの場を立ち去りたいという馬をなだめながら、男達はなんとか馬車に乗り込む。そして、エルレインをその場に残して行ってしまった。

 エルレインは、茫(ぼう)然(ぜん)と座ったまま、馬車が走り去るのを見ていた。

 そうか、ここで死ぬのか。

 幼いながらも、そう実感していた。

 だって、ここはどう見ても普通の森じゃない――魔物にエルレインを食わせろとあの人は言っていた。

 くすん、と鼻を鳴らす。ぼたぼたと涙が零れ落ちてきた。

 ――信じてた。

 いつかは愛してくれるって。

 ――信じたいと思っていた。

 いつかは、愛が与えられると。