辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~

 森の中で蜂の巣がある場所はきちんと押さえてある。それに、新たな巣ができることもある。いくつかある巣穴を順番に回り、取りつくさないようにすれば大丈夫なはず。そのあたりの計算は、メルリノが引き受けているそうだ。

「エル、お役に立てた?」
「ええ、もちろん」

 よかった、と胸を撫でおろす。辺境伯家の役に立てたのならよかった。

 この家の人達のことは大好きだし、この家で生きていくしかないということもちゃんと理解しているつもりだ。

 だからこそ、エルは役に立たなければいけないのだ。

 

 * * *

 

 ロザリアは、普段は王都で暮らしている。辺境伯家は、この国においては尊敬されるべき存在だけれど、足を引っ張ろうとする者はどこにだっている。

「あんな可愛い子を捨てるだなんて、親は何を考えているのかしら」

 夫から、森で子供を拾ったと聞かされた時には何事かと思った。