辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~

 ロドリゴの側で魔術書を読んでいたメルリノが顔を上げる。ラースとハロンは二人でチェスのようなゲームを楽しんでいるところで、彼らもまたこちらに目を向けた。

「あれ、売れるわよ! 味見させてもらったけれど、おいしかったわ。エミーさんもとてもおいしいと言っていたわ。売りましょう、ぜひ、売りましょう。王都で」
「ロザリア様、無理」

 そういえば、アルドの婚約者におすそ分けを送った時、王都の方にも送っておいたのだ。王都では入手できない菓子だから、と。

 エミーって誰なのかなと思っていたら、アルドの婚約者らしい。そうか、エミーさんというのか。

「でも、無理って?」

 ここまで一気にまくし立てておいて、ロザリアはこちらに向き直った。なぜ、無理と言われるのかがピンと来ていなかったらしい。

「エルとジェナで焼く。一度に作れるの、ちょっとだけ」